Last Updated on 3週間 by eweenaw
苦労して勉強し、医学部に入り、これから医学に関する勉強が始まると思っている人も多くいますが、実際のところ、最初の1年は一般教養に専念することになり、医学に関する勉強、授業はほとんどしない時期を迎えます。
数学や文系科目、外国語など勉強しておくべきことをこの1年で徹底して学ぶことになります。
とはいえ、この一般教養をクリアできないと継続して2年目も学ぶことになったり、大学によっては留年を余儀なくされることもあります。
一般教養しかしないから他の大学生と同じような生活というわけにもいかず、1年目からシビアな生活を強いられることになります。
特に高校時代、物理を履修していなかった人にとって、その勉強を強いられ、また、成績に関してもレポートによる評価となることが多く、今までとは勝手が違う点もシビアといわれる部分です。
しかし、医学部の6年間でこの時期が一番余裕があるというのも事実であり、大学生として満喫することができる最初で最後の時間となります。
大学2年になると、医学に関する基礎的なことを学びます。
生理学や組織学などその時点ではよくわからないようなことでも、医師になるとそのありがたみがよくわかるようなことをその時に学ぶことになります。
そして、この時期から解剖実習というものがスタートします。
人間の体がどのような構造をしているのかなどを学び、他には疫学などの社会医学も学ぶことになります。
一般教養科目の単位をすべてとらなければ留年の可能性もあるなどシビアな生活を強いられる1年目、いよいよ医学に関して学び始める2年目までが医学部の生徒にとって余裕のある時期ということになります。
3年になると、2年の時のような講義、実習などが繰り返し行われ、新たに病理学などを学びます。
基礎医学は3年の前半までに終わり、後半になると臨床医学に関する講義、実習などが始まります。
内科や外科、小児科など医師としての方向性が決まるのは4年からとなっており、医学部としての半分は基礎的な知識が叩き込まれます。
このように医師になるまでにやることはたくさんあるというのが実情ですが、一方で医学部に入学した人たちの学力低下に関する問題が深刻となっています。
また、進級の条件が厳しいことから留年を余儀なくされる人が増えており、進級できたとしても苦戦を強いられる人もいます。
その一方、医師には高度なものが求められ、近年その要求がかなり高まっていることから、そのギャップも懸念されています。
そのため、医学部の学生専用の家庭教師をつけて医学に関する勉強をする学生が増えています。
また、富士学院など医学部受験専門の予備校などに通う学生も年々増えてきているのが実情です。
実際に入学して苦戦を強いられる学生の傾向として、高校時代と大学時代での勉強の違いに適応できていないというものがあります。
高校までであれば単語を暗記する、ヤマを張るなどでも大丈夫でしたが、大学生、特に医学は丸暗記をすればなんとかなるものではありません。
研究を行うことになりますが、その研究は数多くある学説の中からこれがいいと思ったものを選び、自分なりに考えて答えを導くことになり、しかも、答えを導くまでの過程などを克明にメモしながらまとめなければなりません。
1つの学問に関して数万に及ぶ本が出ており、それらすべてを網羅することは不可能です。
いかに効率よく知識を吸収し、身につくようなものにしていくか、その勉強法を習得するということも求められます。
一方、様々な試験、レポートをこなさなくてはならないというのも大変であり、要領よくいかにこなしていくかということも重要です。
手術の腕などそのあたりを気にする以前にやるべきことはたくさんあります。
4年で重要な試験として、共用試験があります。
いよいよ5年からは臨床実習に入ることになり、その前段階として、臨床実習に必要な能力が備わっているかを見極められることになります。
この試験をパスできなければ、他の単位が確実に取れていたとしても留年です。
それほど大事な試験ということです。
白衣を着て学ぶのは5年になってからとなり、臨床に実際に参加し、長い時間を確保するというのが近年の傾向です。
この時から様々な科に関する教育を受け、どの科の医師になるかを決めていくことになります。
医師の国家試験を受けるのは6年の後半です。
学部の卒業試験に合格した人だけが医師の国家試験を受けることができ、晴れて医師になることができます。
ここまでの道のりは本当に大変であり、膨大な勉強量が求められます。
実際に医師になってからも研修医としての期間を一定期間過ごすことになるため、一人前の医師になるのは学部に入学してから10年程度となります。
医師を志す人の多くはそうしたことを覚悟している人がほとんどです。
しかし、大変だった受験を乗り越え、その反動が出てしまう人も中にはいます。
そうならないためにも、何のために受験勉強をしたのかを思い出し、学んでいくことが求められます。